セッションAI導入
コンサルタントは顧客の膨大な情報を収集・分析した上で提案を行う必要があります。Web上のリサーチ業務は可能な限り時間短縮して、それを基に考え提案する方に時間を使えるようにしたいとご相談をいただきました。
プロジェクト概要
当プロジェクトでは、顧客の採用を支援するコンサルティング会社が、顧客の魅力を定義するために「顧客の競合企業をリサーチ・分析する業務」を生成AIで自動化しました。 予め設定した競合との比較項目に沿ってAIに情報抽出させ、その情報を基に、顧客の強みとなる要素を抽出することに役立てました。 根拠のある提案をお持ちできるため、質の高い、且つ顧客にとって説得力のある提案を短時間で行えるようになりました。
サマリー
生成AI導入前の状況
競合企業のリサーチ業務では、複数社の基本情報やホームページ、採用媒体などの打ち出しを収集する必要があり、2時間以上の時間をかけていたと言います。 手作業による情報整理は時間と労力がかさむだけでなく、気づけない情報に抜け漏れが発生してしまうことも多々...。コンサルタントへ業務負荷がかかり、提案の精度や顧客対応スピードにも影響が出る状況でした。
実現したこと・得られた効果
生成AIの導入により、リサーチ・分析に費やす時間を80％削減することに成功しました。 置き換え可能な業務を特定し、最適なプロンプトや運用フローを設計したことで、知りたい企業の「企業名を打つだけ」で、必要な情報をAIが抽出してくれる仕組みが出来上がりました。 度重なるテストにより抽出データも向上し、コンサルタントは戦略や企画の立案など、高付加価値業務へ集中できるようになりました。
当プロジェクトについてもっと知る
AIで置き換えることのできる業務の棚卸し
採用コンサルティングでは、多岐にわたるリサーチ業務があり、中にはAIで代替可能な作業も少なくありません。まずは現行の業務プロセスを洗い出し、情報収集や要件整理、企業情報の比較分析など、ルーティン化しやすい作業を特定します。その上で人的リソースを要する分野とAIで効率化できる分野を明確に切り分け、最適なタスク配置を行います。企業情報の収集や比較分析など、時間と労力を要する部分をAIに任せることで、より付加価値の高い戦略立案や提案に集中できます。また、採用の要となる「事業・仕事内容・社風・制度・教育」などの情報もAIの整形により整理しやすくなり、AIの自動化によって正確性とスピードの両立が可能です。
アウトプットに適した生成AIの選定とプロンプトの作成
AI毎に得意なことが異なるため目的に沿った最適なアウトプットを得るには、目的や使用ケースに合った生成AIを選定することが不可欠です。また、効果的なプロンプトを設計することで、各企業のビジョンや社風、制度などの情報を横並びで抽出しやすくなり、比較分析から有用な示唆を得ることが可能です。プロンプトから期待をするような結果を得るために、適宜フィードバックを収集し、プロンプトの修正・変更を実施します。例えば「競合他社と比較した際の該当企業の強み・打ち出しているポイントをまとめて」など、具体的な指示を盛り込むことで、採用の要点を整理しながら自社の差別化ポイントを見出すのに役立ちます。こうした高度な情報抽出により、企業の特長を立体的に把握し、必要な分析や洞察をスムーズに得られます。
運用フローの策定
AIを活用したリサーチ業務を効果的に運用するには、明確な運用フローを構築することが不可欠です。まず、情報収集の対象範囲と分析観点を明確に定め、AIに入力するデータや出力フォーマットを統一します。次に、外部ツールを活用してプロンプト投入を効率化し、複数のAIを併用する場合はその順番やプロンプトの組み合わせを設計します。運用開始後は、得られたフィードバックをもとにプロンプトやフローを適宜修正し、精度と生産性の向上を図ります。これにより、短時間で基礎情報を横並びに整理し、自社の魅力を再定義するための判断材料が迅速に揃います。
